KⅡ Bonny Trout 9'4" #8/9
フライを始めて数年が経過し、支笏湖に通い、時には良いサイズの魚に恵まれる
事もあり、その日も朝一に50オーバーのニジマスをキャッチ。
自慢がてら、開店時間を回ったばかりの今は亡き師匠のショップに顔を出すと、
師匠 「これから何処か行くのぉ〜?」
GAZIME 「いえ、支笏湖行って来ました」
師匠 「今日はいい風でチャンスだよぉ〜、ヤメちゃったの?」
GAZIME 「50オーバーのニジ出たし、荒れてきたのでヤメました」
師匠 「荒れるほどチャンスだし、投げられれば朝一に行かなくても昼間に釣れるよ」
GAZIME 「・・・・」
私はヤラレタと思いました。…というのも実際、釣果があるのは朝夕と穏やかな
曇りの日のみで、陽が昇り風が吹くと上手く飛ばせず、向かい風や右風に至って
は完全にお手上げでした。
師匠は私がまともにキャスティング出来ないのを見抜いていたのです。言葉では
「風の中で釣るには、練習しないと投げられないよ」と言ってくれましたが…
そして後日、私が「レッスンには通えないが、キャスティングを練習しようと思う」
と告げると、勧めてくれたのが、このロッドであった。
師匠は「これはキャスティングの達人がデザインしたロッドで、振ってみたら凄く
いい。練習にも支笏湖にも使える」とニコニコしていたのが、今でも印象深い。

KⅡ Bonny Trout 9'4" #8/9 ラインはSUPREME2 #8
それから私はこのロッドで練習を重ね、雑誌振り〜縦振り〜ショートストローク、
そしてサイド〜セミサイド〜オフショルダーでのフルラインをクリアーし、水平の
ループ…etcを練習し、MAXIMAへ繋いだ。
勿論、現在も練習には欠かせない。では、何故、練習に適しているのか? 答えは
優れたテーパーデザインを持ったミディアムアクションにあると思っている。
この手のアクションは、力任せに振っても飛ばない。ロッドがボヨヨ〜ンと、なら
ない様に力を加減するのがコツだが、正確な振りと的確なホールが前提。
そして、これが出来るとスローアクションのウエットロッドやバンブーロッドも
難なく扱う事が出来る。結果、あらゆる番手〜アクションのロッドでのキャス
ティングが最初の一振り目から自在となる。
では、ファストアクションのロッドでの練習は? フルラインを投げるだけなら、
こちらの方が手っ取り早く覚えられるはずです。
理由は、ミスをしてもロッドのブレが小さく、ごまかせてしまうので、ストローク
の最後にリストを返し、バットの反発さえ引き出す事が出来れば、飛ぶはずです。
しかし、番手やアクションが変わると、なかなか応用が効かず、柔らかいロッド
ほど苦手になってしまう様です。
…キャスティング練習を始めた頃や、今は亡き師匠を思い出してしまいましたが、
きっかけは、このロッドやマキシマを中古市場で見かけた事。
大多数が性能や良さを理解されず、能力を発揮させて貰えずに放出されてしまって
いるであろう事を思うと、もったいないやら悲しいやら…